【ワンポイント根知識 vol.4】『 外力は治療のツールとなる①』

今回は

『 外力は治療のツールとなる①』

です。

今回は私たちセラピストが扱うことのできる外力についてお伝えします。

人の身体は外力と内力の相互作用で運動を起こします。

内力は
筋収縮やポテンシャルエネルギー(弾性組織によって作られる)などです。

外力は
重力、床反力、慣性力、風、大気圧、etc…。

この中で私達が治療をする時に簡単に扱えるのは

「床反力」「慣性力」

です。

この外力を意識せずに患者さんを治療するのは「非効率」であったり、患者さんの本来の「動きの本質とはかけ離れた感覚」を提供してしまっている可能性があります。

なぜなら人はその外力を感覚として取り込み、その感覚を頼りに動いているからです。

それを私達セラピストが無視して良い訳がありません。

実際に外力を操って治療すると良い結果が出る事が多いです。

さて、今回は床反力についてです。

「床反力」は
地球上で地面と体が接している限り必ず受ける外力です。その名の通り床から返ってくる反力です。

地球には重力があり、それによって作られる床反力があるため立ったり歩いたりできています。宇宙ではこれがないため、うまく動けません。

この反力は私たちの操作の仕方次第でいかようにも操ることができます。


例えば、立位で片足のみ床反力を増やしたい場合は、そちら側の肩から足底に向かって軽く圧迫を加えるだけで床反力が増加します。

それだけで、抗重力筋の収縮力は勝手に高まります。なぜなら床反力は抗重力筋の収縮に必要な感覚「荷重感覚」を生み出すからです

その感覚が筋収縮を促通したり、減弱させたりします。

これらを使わない手はありません。

しかも便利な事に床反力の作用点はは重心動揺計にて、圧中心として可視化できます。

床反力の操り方に関してはバイオメカニクスと神経科学に基づいて考えれば、どの様な方法でも良いと思います。

ちなみに、
あのBiNI approachでは特にこれらの外力を使うことを重要視して治療を展開しています。

次回は「慣性力」についてです。

最後までお読みいただきありがとうございました。