第57回セミナーを開催しました。

今回は国立精神・神経医療研究センターの加藤太郎先生にお越しいただき、

「呼吸リハビリテーション入門」と題してセミナーを行っていただきました。

 

リハビリテーションのリスク管理は、

患者さんの前に立つ以前の状態で9割は終わっていなければならない、

予測ない状態で臨むのではリスク管理とは言わない。

バイタルを測ればリスク管理になる。ではないのです。

 

そのためには我々はどのような情報を入手して、判断しなければならないのか?

また、我々の介入が成功だったのかどうか?判断するにはどんな値を気にしたら良いのか?

 

例えば、息苦しさを感じている人にどんな評価をしますか

SpO2を測ればいいでしょうか?それだけだと不十分です。

Hbや心拍出量、酸素投与料やP/F比なども考えた方がいいですよね。

 

ちゃんと理解するためには、生理学の知識は必須ですし、

計算式なども覚えなければなりません。ひとりで勉強していても心が折れてしまいますが、とてもわかりやすく教えていただきました。

机上の勉強だとなかなかリアルと結びつけることも難しかったりもしますが、先生の具体的なガイドや症例の例えがあって、想像することができました。

随所に症例問題などもあって思考する練習もできて、

実技もある。個別性に配慮した方法も論理的に教えていただける。

 

明日からの臨床が変わること間違いないセミナーでした。

 

 


研究会からのRecommend!!

12月開催となる本セミナーは、

肺炎やCOPDの急性増悪が増加するこの時期に正に必要な知識になります。

酸素療法や人工呼吸器、その他内科的な治療が済んでからリハビリを開始しますか?

そんな時期からセラピストだからこそ出来る考え方や介入方法があります!

基礎的なところから実践まで一緒に学びましょう!

 

【セミナー内容】

肺炎による死亡率は増加し,平成24年度には死因の第3位となった.

また,介護が必要となった主原因においても呼吸器疾患による要介護状態は増加している.

これらは,超高齢社会の影響と考えられ,高度急性期から在宅まで呼吸器に関する知識と技術は求められる.

どの時期においても,どの場所においても,どの疾患においても,また,どの姿勢,動作においても

「呼吸器から及ぼされる影響」

を考慮しながら関わらなければならない時代となった.呼吸器に対する理学療法介入への期待は大きい.

 

本セミナーは,呼吸リハビリテーション・呼吸理学療法の知識と技術を学ぶ講義である.

 

本セミナーでは,下記を学ぶことができる.

呼吸器の解剖学,生理学/呼吸器疾患の病態/酸素化の問題(O2の問題)/呼吸器疾患の理学療法評価(視診,触診,聴診,打診),呼吸理学療法(用手的呼吸介助手技).

 

また,時間が取ることが出来たならば,呼吸理学療法の応用(腰椎-骨盤帯-股関節複合体の安定性,楽に動ける身体)にも触れたい.

 

【セミナーテーマ】

午前:知識編

午後:実技編

 

【必要物品について】

・動きやすい恰好(呼吸理学療法の実技では胸郭を動かします)

・聴診器(持ってこれたならば.ふたり一組でひとつ必要です)


【講師】加藤太郎 先生

【所属】国立精神・神経医療研究センター病院

【資格】理学療法士,専門理学療法士(内部障害理学療法専門分野),保健医療科学修士号,3学会合同呼吸療法認定士,介護支援専門員(ケアマネージャー),地域包括ケア推進リーダー,介護予防推進リーダー

【最終学歴・学位】

保健医療科学 修士号

【主な経歴】

平成15年4月 特定医療法人 ジャパンメディカルアライアンス 介護老人保健施設アゼリア
平成18年4月 独立行政法人国立病院機構 東京医療センター
平成20年4月 独立行政法人国立病院機構 災害医療センター
平成24年4月 文京学院大学 保健医療技術学部 理学療法学科

【専門分野】

・急性期理学療法(急性期における人工呼吸器管理下患者に対する呼吸理学療法を中心に)
・運動器疾患の理学療法
・呼吸器疾患の理学療法
・蘇生教育,心肺蘇生法

【研究テーマ】

・呼吸運動時の皮膚挙動特性に関する研究
・アライメントと身体機能(静的アライメントと呼吸・体幹機能,動き)に関する研究

・蘇生教育,心肺蘇生法に関する研究

【主な所属学会・審議会等】

・日本理学療法士協会
・日本循環器学会(BLSインストラクター)
・日本救急医学会(ICLSインストラクター)
・日本臨床救急医学会

【著書】

88の知が生み出す臨床技術 ブラッシュアップ理学療法(共著,三輪書店,pp114-117.(2012.6))
ヤンダアプローチ-マッスルインバランスに対する評価と治療-(共著,共同翻訳,三輪書店,担当分(「第1章:マッスルインバランスに対する構造的アプローチと機能的アプローチ」,「第2章:感覚運動システム」 pp1-27.(2013.3))

【論文】
■原著
・呼吸運動時の胸部と腹部の皮膚挙動特性(理学療法科学,28(2):279-283(2013.4)
■調査・報告
・理学療法士における心肺蘇生に関する意識調査-認識度・学習意欲-(日本臨床救急医学会雑誌,16(2):95-98(2013.4)
■総説
・急性期理学療法のリスク管理-一歩進んだ循環動態評価と臨床応用-(The Journal of Clinical Physical Therapy,13:67-70(2010.12)
・急性期理学療法のリスク管理 その2-一歩進んだ循環動態評価と臨床応用-(The Journal of Clinical Physical Therapy,14:87-91(2012.10)
・急性期理学療法のリスク管理 その3-一歩進んだ循環動態評価と臨床応用-(The Journal of Clinical Physical Therapy,15:49-53(2013.4)
■特別寄稿
・体幹インナーユニットの機能と治療-骨盤水平面アライメントに着目したアプローチ-(理療,43(2):45-51(2013.8)
・超高齢社会が理学療法に与える影響(理療,44(1):3-7(2014.5)

 

【学会発表】
■筆頭研究;9篇 / ■共同研究;10篇

 

文京学院大学HPより