第12回セミナーを開催しました。

 

『臨床はなぜ?を突き詰めること』

 

今回は森ノ宮医療大学の工藤慎太郎先生をお招きして、膝関節を中心にセミナーを開催しました。

工藤先生と言えば著書『運動器疾患の「なぜ?」が分かる臨床解剖学』!!

エコーを用いて解剖を臨床的に紐解く。

安静肢位では解剖書の図にある筋が関節可動に伴い周辺の結合組織と滑走していく。

滑走方向は内側か外側か、はたまた深部か表層か。

これほど筋の滑走性を三次元的かつ経時的にイメージしながら触れたことがあっただろうか。

そしてそれらへ介入することで得られる即時的な変化!

こんなに簡単に変わる!

ですが、それはあくまで「結果」であり、その部位の滑走性が低下したのは『なぜ?』なのか。

臨床では解剖、運動学、バイオメカニクスなど多角的な視点から評価し『なぜ?』をとにかく追求していく…

日々の臨床で、ある程度パターン化された評価・介入になってしまっていた自分に気付くことも出来ました。

 

受講生からも
「バイオメカニクス、解剖、研究のデータを元に説明して頂いたのでわかりやすかった」

「膝関節の応用評価を色々学べた」

「根拠がしっかりあってわかりやすかった」

と言った感想を多く頂きました。

 

著書のように工藤先生が研究されている事柄を臨床へ分かりやすく落とし込んで下さり、講義、実技ともに充実した満足度の高いセミナーでした。

工藤先生、アシスタントの兼岩先生、受講生のみなさん、ありがとうございました!

そして、
再び当研究会でお呼びする予定ですのでお楽しみに!!


【講義内容】

膝関節の運動器疾患に対する理学療法を考えるとき,何を考えますか?膝という複合関節のどこから症状が出ているのか?どうして症状が出ているのか?これを突き止めることで,適切な理学療法を選択する道が見えてきます.しかし,筋や靭帯,関節などの各組織がどのような機能を持ち,動作の中でどのように発揮されているか?を知らなくては,この道は中々見えてきません.本講習会では,膝関節の運動器疾患を評価・治療する上で重要な解剖学・運動学的な情報を講義形式と実技形式を交えてお伝えします.




【講師】工藤慎太郎 先生

【所属,職位】

森ノ宮医療大学 講師

形態学と運動学に基づく理学療法勉強会 会長

【最終学歴・学位】

鈴鹿医療科学大学大学院 医療科学研究科 

医療科学専攻  博士後期課程

【専門分野】

筋骨格系理学療法学,バイオメカニクス,運動学

【研究テーマ】

足部のバイオメカニクス,運動器疾患の応用解剖学,客観的動 作分析に基づく運動療法の開発

【関連リンク】

臨床バイオメカニクス・応用解剖学研究室

【主な所属学会・審議会等】

日本理学療法士学会、日本臨床バイオメカニクス学会、日本足の外科学会、コ・メディカル形態・機能学会、理学療法科学会、臨床歩行分析研究会、International Society of Posture and Gait Research.

【著書】

運動療法の「なぜ?」がわかる超音波解剖.2014.医学書院.東京
運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学. 2012. 医学書院.東京.
看護学生のための看護技術よくわかるブック.藤井徹也(編).関節可動域訓練.2012.メジカルフレンド.

【論文】

Reliability of the Transverse Arch of the Forefoot as an Indicator of Foot Conditions.Journal of Physical Therapy Science. May Vol. 24 (2012) No. 4 335-337.
コ・メディカル養成校における『解剖画像教材』を用いた授業とその効果.
 形態・機能. Vol. 6 (2007-2008)No.2 135-141

他多数

【研究業績】

The influence of the forefoot flexibility on the Medial Tibial Stress Syndrome. S.Kudo, Y. Hatanaka. Asia Pacific Knee Arthroscopy and Sports medicine Society. 2014. (Nara)
The flexibility of the transverse arch of the forefoot on the forefoot loading in the flat feet deformity. International Foot and Ankle Biomechanics. 2014. (Busan)
「臨床解剖学によるスポーツ障害の理学療法」 整形外科リハビリテーション研究会スポーツ支部にて講演.2013.10月
「臨床解剖学からみた膝関節の運動療法」 整形外科リハビリテーション学会三重県支部にて講演.2014.2月

【学会発表】

A comparison of the kinematics and kinetics of overground walking and a functional mobility task in healthy subjects.2013 2nd congress, International society of posture and gait researchにて発表

Does hallux compression force influences the gait?  

WCPT‐AWP&ACPT 2013にて発表

The development of measurement methods for flexibility of the transverse arch of the forefoot. 4th Asia society of Sport Biomechanics(2012) にて発表

超音波画像診断装置による固有背筋の観察.第47回 日本理学療法学術大会(2012)にて発表