第22回セミナーを開催しました。

 

『頭頸部への介入は恐くない』

 

今回は文京学院大学の上田泰久先生をお招きして、
頭頸部の機能解剖と臨床応用をご教授いただきました。


頭頸部への介入、
というと苦手意識を持っているセラピストが多いのではないでしょうか。

なぜならリスクを伴うからです。

 

今回のセミナーでは機能解剖を踏まえた上で、
頭頸部の介入において
触れてはいけないポイントを明確に提示していただき、
リスクに対する恐怖心をまず払拭することができました。

 

そこから頚椎疾患の成り立ちを紐解き、
セラピストが介入して改善が期待できる
眩暈や偏頭痛とはどういったものか、
問題点は頚椎自体にあるのか、
それとも体幹など他部位からの運動連鎖の結果なのか。

 

上田先生のデモでは的確な評価・介入により、
受講生や私たちが目を疑うくらいの即時的効果が!
予想を超える変化に会場からどよめきが起こるほどでした。

 

今回のセミナーでは頭頸部の苦手意識が払拭され、
臨床でも少しずつ試してみたいという勇気ももらうことができました。

 

参加者からは
「普段何気なく触れている部分が神経を圧迫して危険だったことに気付いた。具体的なリスク管理が学べた」

「こんなにわかりやすい運動連鎖の説明は初めてだった。治療に活かす自身がついた」

「肩凝り、頭痛が自覚的にも楽になった。徒手療法で改善できるものできないものが明確になった。」

と言った感想を多く頂きました。

 

上田先生は受講生の目線に立ち、
講義から実技指導までとても明確に、
そして丁寧に対応して下さり、
満足度の高いセミナーとなりました。

 

上田先生、参加されたみなさん、ありがとうございました!


【講義内容】 

 頭頸部に問題が生じると,頭痛・頸部痛・上肢痛・しびれ・可動域制限などの症状を引き起こします。また,頭頸部は姿勢制御と密接な関係があるため,頭頸部に問題が生じると,安定した基本動作が行えないことも多くみられます。頭頸部の問題を改善させるため,理学療法士・作業療法士などの医療従事者は,頭頸部に対して適切な評価と運動療法を実施できることが求められています。

今回のセミナーでは,頭頸部に苦手意識を持つ先生方が少しでも苦手意識を克服できるよう基礎から応用的な内容まで解説していきます。具体的には「頭頸部に対するリスク管理」・「機能解剖を応用した評価と運動療法」・「運動連鎖を応用した評価と運動療法」に関する理論と実践について紹介します。このセミナー終了後には,多くの先生が苦手意識を克服して,翌日からの臨床が少しでも変わる講義・実技を提供したいと思います。




上田泰久先生(ウエダヤスヒサ)

文京学院大学保健医療技術学部 理学療法学科 助教

修士(保健医療学),専門理学療法士(運動器)

 

 

【略歴】

2000年4月 横浜新緑総合病院 リハビリテーション科 入職

2007年3月 国際医療福祉大学大学院(修士課程)福祉援助工学分野 修了 

2007年4月 文京学院大学 保健医療技術学部 理学療法学科 入職

2010年4月 日本理学療法士協会認定 専門理学療法士(運動器)取得

【著書・論文等(セミナー予習・復習用として厳選したもの)】

・頸椎の機能解剖と臨床応用(DVD全1巻),ジャパンライム,2016

・理学療法MOOK17 理学療法技術の再検証,三輪書店,p84-94,2015

・頭痛・頸椎症性神経根症に対する理学療法,PTジャーナル49(5):403-410,2015

・頭痛の病態と運動療法,理療43(2): 52-58, 2013

・頸椎疾患に対する評価と治療, 理療42(4): 67-72, 2013

・外来整形外科のための退行変性疾患の理学療法,医歯薬出版,p91-105,2010