【第43回セミナーを開催しました】

9/23 加藤太郎先生にお越し頂き

「楽に動ける身体つくり ~呼吸理学療法を応用する~」を開催いたしました。

みなさんご存知のとおり、理学療法の目的は基本的動作能力の回復です。

では、どのようなアプローチや介入で動作を効率良く、楽にできるようにするのか。

臨床で悩むことは多いと思います。


今回のセミナーでは「呼吸」を切り口として人の身体を変化させることを多く学びました。


胸郭における肋軟骨の働きや横隔膜と腹圧の一見矛盾する関係性など、

呼吸リハを突き詰めてきた加藤先生だからこそ伝えられる視点など新しい気付きを多く得られました。

また午後は胸郭など呼吸器へのシンプルな介入のみで歩行パターンを左右逆転させてしまうなど、加藤先生の動作分析能力や臨床力にも驚かされました。


「患者さんに触ることに責任を持つこと」

「とにかく考える、考える、考える」


日々の業務の中で忙しいということを言い訳にして、どこかで考えることを疎かにしていた自分にハッとさせられました。


受講された方からは

「胸郭は呼吸器というイメージだったが、アプローチすることでROMや歩行に影響を与えることが経験できてよかった」

「胸郭の各セグメントの関わりは改めて意識しなければいけないと思った」

「実技が多くてわかりやすかった」

などの声が寄せられました。


加藤先生、参加された皆さんありがとうございました!

また今回は協会認定ポイントの申請を当研究会のセミナーで初めて導入しましたが、多くの受講生から好評をいただくことができました。

これからも対象となるセミナーを少しずつ増やしていく予定です。

【講義内容】
理学療法とは、身体に障害のある者に対して(対象)、基本的動作能力の回復を図るために(目的)、治療体操やその他の運動を行わせること、及び物理的手段を加えること(手段)、とあります。

理学療法の目的である基本的動作能力とは、坐る、立つ、歩く、体や手足をまげたり伸ばしたりするといった人間にとって基本的といえるような運動能力のことをいう、と解説抜粋には記されています。
これより理学療法の目標、効果判定は全て動作に帰結しなければなりません。

ROMが改善した、筋力が向上しただけでは足りません。

Impairmentレベルの変化がどのように動作に影響をもたらしたのか、を考える必要があります。


動作を変化させるために色々な部位からのアプローチがありますが、今回は胸郭への介入を機能解剖の視点から考えたいと思います。


本セミナーは「楽に動ける身体」をKey Wordとし、機能解剖の視点から上部胸郭、下部胸郭への介入、さらに動作へ繋げていくことを学びます。

それぞれの講義内容につながりを持たせて、動作を変化させることを考えていきます。
他にも、セラピストとしての基本を学びます。

 



【講師】加藤太郎 先生

【所属】国立精神・神経医療研究センター病院

【資格】理学療法士,専門理学療法士(内部障害理学療法専門分野),保健医療科学修士号,3学会合同呼吸療法認定士,介護支援専門員(ケアマネージャー),地域包括ケア推進リーダー,介護予防推進リーダー

【最終学歴・学位】

保健医療科学 修士号

【主な経歴】

平成15年4月 特定医療法人 ジャパンメディカルアライアンス 介護老人保健施設アゼリア
平成18年4月 独立行政法人国立病院機構 東京医療センター
平成20年4月 独立行政法人国立病院機構 災害医療センター
平成24年4月 文京学院大学 保健医療技術学部 理学療法学科

【専門分野】

・急性期理学療法(急性期における人工呼吸器管理下患者に対する呼吸理学療法を中心に)
・運動器疾患の理学療法
・呼吸器疾患の理学療法
・蘇生教育,心肺蘇生法

【研究テーマ】

・呼吸運動時の皮膚挙動特性に関する研究
・アライメントと身体機能(静的アライメントと呼吸・体幹機能,動き)に関する研究

・蘇生教育,心肺蘇生法に関する研究

【主な所属学会・審議会等】

・日本理学療法士協会
・日本循環器学会(BLSインストラクター)
・日本救急医学会(ICLSインストラクター)
・日本臨床救急医学会

【著書】

88の知が生み出す臨床技術 ブラッシュアップ理学療法(共著,三輪書店,pp114-117.(2012.6))
ヤンダアプローチ-マッスルインバランスに対する評価と治療-(共著,共同翻訳,三輪書店,担当分(「第1章:マッスルインバランスに対する構造的アプローチと機能的アプローチ」,「第2章:感覚運動システム」 pp1-27.(2013.3))

【論文】
■原著
・呼吸運動時の胸部と腹部の皮膚挙動特性(理学療法科学,28(2):279-283(2013.4)
■調査・報告
・理学療法士における心肺蘇生に関する意識調査-認識度・学習意欲-(日本臨床救急医学会雑誌,16(2):95-98(2013.4)
■総説
・急性期理学療法のリスク管理-一歩進んだ循環動態評価と臨床応用-(The Journal of Clinical Physical Therapy,13:67-70(2010.12)
・急性期理学療法のリスク管理 その2-一歩進んだ循環動態評価と臨床応用-(The Journal of Clinical Physical Therapy,14:87-91(2012.10)
・急性期理学療法のリスク管理 その3-一歩進んだ循環動態評価と臨床応用-(The Journal of Clinical Physical Therapy,15:49-53(2013.4)
■特別寄稿
・体幹インナーユニットの機能と治療-骨盤水平面アライメントに着目したアプローチ-(理療,43(2):45-51(2013.8)
・超高齢社会が理学療法に与える影響(理療,44(1):3-7(2014.5)

 

【学会発表】
■筆頭研究;9篇 / ■共同研究;10篇

 

文京学院大学HPより